AIが数分でプロ並みのCM動画を作れる時代が、もう来ています。以前なら数十万円・数週間かかっていた映像制作が、今やスマホとAIツールだけで完結する。そんな革命的な変化を、個人でも中小企業でも活用できるようになりました。この記事では、生成AIを使ったCMの作り方を具体的なステップとツール比較で徹底解説します。副業として企業CMを受注したい方にも役立つ情報を盛り込んでいます。
生成AIでCMを作る仕組み
「生成AI」と一口に言っても、CMを作るためには複数の技術が組み合わさっています。まずは大前提となる仕組みを理解しておくことで、ツール選びやプロンプト作りがぐっとスムーズになります。
テキスト→映像生成AIの仕組み
テキストから動画を生成するAI(Text-to-Video)は、大量の映像データを学習した深層学習モデルです。ユーザーがプロンプト(文章による指示)を入力すると、AIが「どんな映像になるか」を予測しながら1フレームずつ生成していきます。
たとえば「夕暮れの海岸を走る赤いスポーツカー、映画的な照明、スローモーション」と入力するだけで、AIはカメラアングルや光の当たり方まで自動的に判断して映像を生成します。プロンプトの精度が仕上がりを大きく左右するため、「シーン・被写体・雰囲気・カメラワーク」の4要素を意識した指示文を書くことがポイントです。
代表的なText-to-VideoツールにはSora(OpenAI)、Runway Gen-3、Kling、Gemini Videoなどがあります。それぞれ得意な映像スタイルや生成時間が異なるため、CMのジャンルによって使い分けることが重要です。
画像→動画変換でCMを作る方法
もう一つの主流アプローチが、Image-to-Video(画像→動画)変換です。事前にAI画像生成ツール(MidjourneyやStable Diffusionなど)で静止画を作成し、それをKlingやRunwayに読み込んで「動かす」手法です。
この方法のメリットは映像の一貫性(画風・キャラクター・商品の見た目)を保ちやすい点です。テキストだけから動画を生成すると毎回微妙に結果が変わりますが、ベースとなる画像を固定することで、ブランドのイメージに沿った動画を安定的に生成できます。
実際の企業CM制作でよく使われるフローは「Midjourney→商品・モデルの高品質画像を生成→KlingでCM動画化→BGM・テロップを追加」という流れです。このフローをマスターするだけで、かなりのクオリティのCMが制作可能になります。
AI CM制作におすすめのツール4選
現在使えるAI動画生成ツールは数十種類ありますが、CMの実用レベルで使えるのは限られています。実際に使い込んだ中から、目的別に4つを厳選しました。
Kling — リアル系CM動画に最強
中国のKwaiが開発したKling(クリング)は、現時点でリアル系のCM動画生成においてトップクラスのクオリティを誇ります。人物・商品・自然の映像が非常に滑らかで、「AIっぽさ」が出にくいのが最大の特徴です。
- 得意なジャンル:商品紹介CM、人物出演CM、飲食店動画
- 料金:無料プランあり(月66クレジット)/有料プランは月約1,500円〜
- 商用利用:有料プランで可能
- 生成時間:5秒動画で約1〜3分
Image-to-Videoの精度が特に高く、Midjourneyで作った商品画像を読み込ませるだけで、まるでロケ撮影したような動画が完成します。副業でCM制作を受注する際のメインツールとして最も推奨できます。
Runway — ハイクオリティ・クリエイター向け
Runway(ランウェイ)はアメリカ発のAI動画生成ツールで、映像クリエイターやプロのVFXアーティストにも使われています。Gen-3 Alphaエンジンは映像の細部表現に優れており、アーティスティックなCMや演出重視の動画に向いています。
- 得意なジャンル:ブランドイメージCM、アート系広告、ファッション動画
- 料金:無料プランあり(月125クレジット)/有料プランは月約1,500円〜
- 商用利用:有料プランで可能
- 日本語対応:UIは英語のみ
プロンプトの自由度が高い分、使いこなすには慣れが必要です。初心者よりも「より表現の幅を広げたい中級者以上」に向いたツールと言えます。
Sora(OpenAI)— 最高品質だが難易度高め
OpenAIが開発したSora(ソラ)は、長尺・高解像度・複雑なシーン展開においてトップクラスの品質を誇ります。物理法則に沿った映像表現(水が流れる・物体が落ちる等)が非常にリアルで、プロの映像制作会社からも注目されています。
- 得意なジャンル:ストーリー性のあるCM、シネマティック広告
- 料金:ChatGPT Plusまたはそれ以上のプランが必要(月約3,000円〜)
- 制限:一部地域・プランで利用制限あり
- 難易度:高め(プロンプトの技術が品質に直結)
最高品質のCMを目指す場合の選択肢ですが、現時点では「安定してクオリティを出しやすい」という点ではKlingに軍配が上がります。将来的にはSoraが主流になる可能性が高いため、今から触れておく価値は十分あります。
Gemini — 無料で試せる入門向け
GoogleのGemini(ジェミニ)に統合されたVeo2は、無料でも動画生成を試せる入門向けツールです。Google One AIプレミアムプランに加入することでVeo2の高品質動画生成にアクセスできます。
- 得意なジャンル:シンプルな商品紹介、SNS用ショート動画
- 料金:Gemini無料版でも一部利用可能/フル機能はGoogle One AIプレミアム(月約2,900円)
- メリット:Googleアカウントがあればすぐ始められる
- デメリット:生成できる動画の長さ・品質はKlingやRunwayに劣る
まず「AIでCMを作るってどんな感じ?」と体験してみたい方には最適なエントリーポイントです。感触をつかんだ後にKlingやRunwayへ移行するという順番がおすすめです。
AI CMの作り方ステップ(実際の手順)
ここからは、実際に僕がクライアントのCM制作で使っているフローを惜しみなく公開します。Klingをメインツールとして使用した場合の手順です。
STEP1. CM動画のコンセプト・台本をAIで作る
まずChatGPTやClaudeを使って、CMのコンセプトと台本(絵コンテ)を作成します。以下のようなプロンプトをChatGPTに入力してみてください。
プロンプト例:
「〇〇(商品名・サービス名)の15秒SNS広告を作りたい。ターゲットは20〜30代女性。高級感・清潔感を重視したトーンで、シーン1〜3の映像と、各シーンのナレーション・テロップ案を出してください。」
AIが出してくれた台本をベースに、シーンごとに「映像の指示文(プロンプト)」を作ります。この段階でしっかり設計することが、完成品のクオリティを大きく左右します。「何を見せるか」「どんな雰囲気にするか」を明確にすることが最重要です。
SNS動画の自動化・アカウント運用についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
AIでSNSアカウントを自動化する方法|完全ガイド
STEP2. 素材画像をAI画像生成で用意する
コンセプトが固まったら、MidjourneyまたはAdobe Fireflyで素材となる静止画を生成します。CMに使う素材として以下を準備するのが基本です。
- 商品・サービスのメインビジュアル
- モデル・人物のカット(Midjourneyなら「--ar 9:16」でタテ動画用に最適化)
- 背景・ロケーション素材
画像生成のプロンプトでは「商業写真風(commercial photography)」「高解像度(8K, ultra detailed)」「プロダクト撮影(product shot)」などのキーワードを入れると、CM素材らしい仕上がりになります。実際の人物を写真から生成する場合は、後述する著作権・肖像権の問題に注意が必要です。
STEP3. Klingで画像→CM動画を生成する
Klingの「Image to Video」機能に、STEP2で用意した画像をアップロードします。そこにシーンのプロンプトを英語で入力して生成ボタンを押すだけで、5〜10秒の動画クリップが生成されます。
Klingプロンプト例:
「A luxury skincare product placed on a marble surface, soft morning light streaming through a window, slow zoom in, cinematic, high-end commercial style」
生成された動画クリップを複数作り、シーンごとに最も良いテイクを選んでいきます。Klingは1回の生成で最大3パターンが生成されるため、その中から選ぶ形です。各シーンのクリップが揃ったら、次のSTEPで編集・仕上げに入ります。
STEP4. 音楽・テロップをAIで追加する
生成した動画クリップを編集ソフト(CapCut・DaVinci Resolve・Adobe Premiere Pro等)でつなぎ合わせ、BGMとテロップを追加します。この工程もAIを最大限活用します。
- BGM:Sunoや商用フリー音楽サービス(Uppbeat、Pixabay Music)で著作権フリーの楽曲を用意
- ナレーション:ElevenLabsやVoicePeakでAI音声を生成(自然な日本語音声に対応)
- テロップ:CapCutのAI字幕機能でナレーションから自動生成
- カラーグレーディング:DaVinci Resolveの自動カラーマッチ機能を活用
最終的にMP4でエクスポートして完成です。15秒CMであれば、慣れてくれば1〜2時間で1本仕上げることも十分可能です。
AI CM制作を副業にする方法
AI CM制作のスキルは、副業として非常に相性が良い分野です。制作時間の短縮という最大のメリットを活かして、高い時給効率で稼ぐ方法を解説します。
中小企業・飲食店・美容院に営業する
最も効果的な受注方法は、地元の中小企業への直接営業です。特に狙い目なのは「インスタグラムやTikTokで動画を出したいが、作り方がわからない」という事業者です。飲食店・美容院・整体院・小売店・不動産など、SNS集客を必要としている業種は膨大にあります。
営業の流れ:
- ターゲット企業のSNSアカウントを確認し、動画コンテンツが少ない・クオリティが低い店舗をリストアップ
- その企業の商品・サービスのサンプルCMを事前に1本制作(デモ動画)
- InstagramのダイレクトメッセージまたはGoogleビジネスプロフィールの問い合わせから連絡
- デモ動画を見せながら「このクオリティのCMを月3本〇万円で制作できます」と提案
「実績がない状態でどう信頼してもらうか」が最初の壁ですが、デモ動画を無料で1本提供するという戦略で突破できます。1社実績を作れば、それがポートフォリオになります。
相場・単価(1本3万〜20万円)
AI CM制作の市場単価は、現時点では以下が目安です。
| 制作内容 | 単価目安 |
|---|---|
| SNS用ショートCM(15〜30秒) | 3万〜8万円 |
| 企業紹介・サービス紹介動画(1分前後) | 8万〜15万円 |
| 本格CM(複数シーン・ナレーション・音楽込み) | 15万〜20万円 |
| 月額継続プラン(月3〜5本制作) | 5万〜15万円/月 |
AIを使うことで制作時間は大幅に短縮されますが、クライアントからの視点ではクオリティが全てです。「AIで作ったから安くしてほしい」という交渉をされないように、成果物のクオリティで価格を正当化できるレベルを目指しましょう。月額継続プランに持ち込めると、安定した副業収入になります。
クラウドソーシングで受注する方法
直接営業に加えて、クラウドワークスやランサーズを活用するのも有効な手段です。
クラウドワークス・ランサーズでの出品ポイント:
- プロフィールに「AI動画制作」「SNS広告動画」「生成AI CM」などのキーワードを入れる
- 制作実績のポートフォリオ(YouTube限定公開やGoogleドライブのリンク)を必ず掲載
- パッケージサービス(本数・納期・修正回数をセットにした固定価格プラン)を出品する
- 初期は相場より少し低めの価格で実績・レビューを集める
また、SkebやBOOTHでのサービス販売、またはnoteやTwitter(X)でのポートフォリオ発信も、問い合わせを増やすために有効です。SNSで自分の制作した動画を定期的に投稿することが、長期的には最も強い集客チャネルになります。
著作権・商用利用の注意点
AI制作のCMを商用利用する際は、以下の点に必ず注意してください。知らずに使うと法的なトラブルに発展するリスクがあります。
① ツールの利用規約を必ず確認する
KlingやRunwayは有料プランであれば商用利用を許可していますが、無料プランでは商用利用を禁じている場合があります。また規約は随時更新されるため、受注前に最新の利用規約を確認する習慣をつけてください。
② AI生成映像の著作権は「グレーゾーン」
現時点では、AI生成コンテンツの著作権は国によって扱いが異なります。日本では「AI単独で生成したコンテンツには著作権が発生しない」という見解が主流ですが、人間の創作的な関与があれば著作権が認められる可能性があります。クライアントには「AI制作物の著作権は現在法律上グレーゾーンであること」を事前に説明し、契約書に明記することが重要です。
③ 実在の人物・ブランドロゴの無断使用は厳禁
有名人の顔に似た画像をAIで生成してCMに使うことは、肖像権・パブリシティ権の侵害になる可能性があります。また既存ブランドのロゴや商標に似たデザインも使用禁止です。モデルが必要な場合は、AIで架空の人物を生成するか、モデルとの契約を別途締結してください。
④ 使用するBGM・音声の権利確認
CMに使用するBGMやナレーション音声も著作権の対象です。Sunoで生成した楽曲はSunoの利用規約に従った商用利用条件があります。著作権フリーの音楽サービス(Uppbeat、Musicbed等)を使う場合も、商用ライセンスが含まれているか確認しましょう。
よくある質問
Q. 生成AIでCMを作るのに初期費用はいくらかかりますか?
最低限の環境であれば月額1,500〜3,000円程度から始められます。Klingの有料プランが月約1,500円、ChatGPT Plusが月約3,000円が主な費用です。無料プランのみでスタートすることも可能ですが、商用利用には有料プランへの移行が必要です。本格的に副業として行う場合、ツール代は月5,000〜10,000円程度を想定しておくと安心です。
Q. 動画編集の経験がなくてもAI CMを作れますか?
はい、可能です。KlingやRunwayは画面の指示に従って操作するだけで動画を生成できます。最終的な動画の仕上げにはCapCutなどの編集ツールを使いますが、CapCutはスマホアプリでも使え、初心者向けのテンプレートが豊富です。「映像生成→クリップ結合→テロップ追加→BGM追加」の基本フローを1回こなすだけで、全体の流れが理解できます。
Q. AI CMをクライアントに納品する際に必要な契約事項は?
最低限、以下の項目を契約書または発注書に明記することをおすすめします。①制作物にAIツールを使用すること、②AI生成コンテンツの著作権の扱い(現状のグレーゾーンについての説明)、③商用利用の許諾範囲(どのメディア・期間での使用か)、④修正対応の回数と範囲、⑤料金と支払いサイト。特に著作権については事前に書面で合意しておくことがトラブル防止の鍵です。
Q. AI CMのクオリティをさらに高めるコツはありますか?
最も効果的なのは「プロンプトのクオリティを上げること」と「複数のAIを組み合わせること」です。具体的には、ChatGPTにプロンプトを改善してもらい、Midjourneyで高品質なベース画像を作り、Klingで動画化し、CapCutで仕上げるという多段階のフローがおすすめです。また実際のプロが制作したCMを参考にして「どんな映像表現を再現したいか」を言語化する訓練も非常に有効です。
まとめ
生成AIでCMを作ることは、もはや特別なスキルを持つ人だけの話ではありません。
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